花卉農協の農業情報への取り組みと今後の対応.pdfVIP

【沖縄農業研究会】 Title花卉農協の農業情報への取り組みと今後の対応 Author(s)大谷, 浩一 Citation沖縄農業, 31(1): 48-52 Issue Date1996-08 URL Rights沖縄農業研究会 花卉農協の農業情報への取り組みと今後の対応 大谷浩一 （沖縄県花卉園芸農業協同組合） KoichiOHTANI：StragyoftheagriculturalinformationoftheKaki-Nokyoandproblemsforfuture はじめに～サンネット導入までの経緯～ ５年１月，沖縄農業活性化構造改善特別対策事業に基 沖縄の農業の中で花き類は年々順調に生産が拡大し， づく広域農業情報施設管理設備計画の指定,同年３月 国内における重要な産地県としての地位を築いてきた 九州東海大学・山中守教授を座長に広域協議会の情 中で，当農協も「太陽の花」をブランドとして，沖縄 報施設専門部会を設け，農業情報センター基本構想を の花き生産振興の一翼を担うべく努めてきた 策定し，同年12月，同事業の認定を受けた.その後， 近年，社会情勢の大きな変遷の中，農業を取り巻く 平成６年３月に情報センター施設の導入を完了，同年 情勢は厳しく，一見好調な花き業界においても同様で， ６月，組合員への情報端末機を各地域毎にⅡ頂次設置導 転作や輸入増大，異業種の参入，市場統合による大型 入し，前システム所蔵のデータ入力や試験運用の後， 同年10月開所の運びとなった． 化・高機能化などの生産・流通構造の変化，価格破壊 や嗜好の多様化による消費構造の変化などと，時代の 本情報センターの設計依頼に当っては，基本仕様を 流れが加速すると同じく，状況は急変している． ダウンサイジング，オープンシステム，高速ＬＡＮ そのような状況の中で，情報の重要性が高まり，情 (イーサネット）利用とし，運用。操作・変更の容易な システムとした． 報ネットワークの整備など，情報化の波は急速に進歩 発展し「平成の産業革命」ともいえるほど，大きな流 また，基本目的として以下の点を踏まえた． れとなっている． ①組合員が必要とする情報を必要に応じて，迅速か しかし，農業の情報化は農業が全ての分野を含んだ つ正確に提供すること 総合科学的面を持ち，かつ，技術体系においても多種 ②組合員より情報の収集が可能なこと 多様の条件や環境の違いにより，実際に行なって始め ③農協と組合員の問で情報交換が容易に出来ること て理解できる実理的側面があるため，情報化とは無縁 ④情報を提供するために，農協内部の情報処理が円 な点が多くあると一般的に思われ，整備が遅れていた． 滑かつ効率的に行