薬の作用様式と作用機序.docVIP

平成１９年度 薬理学試験対策?三輪プリントの小テスト解答案 注意 先生に確認した解答ではありません。すべて自己責任で使用してください。また、間違いを発見した場合は、直接担当者に教えてもらえるとありがたいです。 『薬の作用様式と作用機序』10/24(水)　担当 太田 １）「最大効果Ｅｍａｘの半分の効果をきたす薬物濃度がＫｄである」ことを証明しなさい。 [Ｄ]：薬物濃度　[Ｒ]：受容体濃度　[ＤＲ]：薬物受容体複合体　[Ｒ]ｔ：全受容体数 Ｋｄ：解離定数（ｋ２／ｋ１）α：内活性　Ｅ：効果　Ｅｍａｘ：最大効果　とする。 　　　　ｋ１ [D]＋[R] ? [DR]において、ｋ1?[Ｄ]?[Ｒ] ＝ ｋ2?[ＤＲ]が成り立つ。よって、解離定数は、 k2 　　…① また、[Ｒ]ｔ＝[Ｒ]＋[ＤＲ]…②　これを変形して①式に代入すると　　…③ 薬物Ｄの効果Ｅは、[ＤＲ]に比例するとすれば、Ｅ＝α[ＤＲ]…④ ③式を[ＤＲ]について整理し、④式に代入すると 　　 α[Ｒ]ｔ[Ｄ] Ｅ＝―――――――　 　　　Ｋｄ＋[Ｄ]　　…⑤ 薬物の最大効果Ｅｍａｘ＝α[Ｒ]ｔであるから　　　 …⑥ Ｅ＝１／２Ｅｍａｘのとき、⑥式に代入すると、[Ｄ］＝Ｋｄ　となる。 すなわち最大効果Ｅｍａｘの半分の効果をきたす薬物濃度はＫｄである。 ２）解離定数Ｋｄの逆数は何をあらわすか。 　１／Ｋｄ　　親和性（Affinity）【＝Ｋａ（結合定数）】 ３）ある薬物のＥＣ５０（組織実験から得られる値）とＫｄ（膜分画を用いた結合実験から得られる値）は多くの場合一致するが、一致しない場合もある。一致しないのはどのような場合か。 余剰受容体がある場合　（受容体占有率曲線と薬理反応率曲線が一致しなくなるため） ４）解離定数Ｋｄおよび結合定数Ｋａをｋ１とｋ２を用いて表しなさい。 　　　　　ｋ２　　　　　　ｋ１　　　　　　　　　　　　　ｋ１ 　　Ｋｄ＝―――　　Ｋａ＝―――　　　　　　　　[D]＋[R] ? [DR]　 　　　　　ｋ１　　　　　　ｋ２　　　　　　　　　　　　　ｋ２ ５）薬物Ｄの効果ＥをＥｍａｘ、Ｋｄおよび[Ｄ]を用いて数式で表現しなさい。　１）参照。 ６）競合的阻害と非競合的阻害の特徴をグラフを用いて説明しなさい。 競合的阻害（左図） アンタゴニストがアゴニスト受容体の結合部位に可逆的に結合する。アゴニスト濃度を上昇させるとアンタゴニストによる阻害が打ち消され、最終的にはアゴニスト単独の場合と同じ最大効果が得られる。効力が低下して、用量反応曲線では右方シフトがみられる。 非競合的阻害（右図） アンタゴニストが①アゴニスト受容体の結合部位に非可逆的に結合するか、あるいは、②受容体の結合部位以外の部位に可逆的または非可逆的に結合する。アゴニスト濃度を上昇させても常に同じ割合で阻害され、最大効果が低下して、用量反応曲線では下方シフトがみられる。 『自律神経の構造と機能』10/29(月)　担当 松田 交感神経刺激で活性化される生理機能を７つ挙げよ。 瞳孔散大 気管支拡張 心拍出量増加(心収縮力と心拍がともに増加) 血圧上昇 血糖上昇 遊離脂肪酸増加 骨格筋の血流増加 脊髄から標的細胞に至る自律神経の構造を図示して説明しなさい。ニューロン、神経伝達物質、受容体、ニューロンの接合部の名前など。 ＜図＞三輪プリント「自律神経の構造と機能」のスライド８、１０ ＜説明＞ 自律神経は、２つの遠心性ニューロンが自律神経節で直列につながった構造をとる。中枢神経(脊髄と脳幹)から神経節までの有髄のニューロンを節前神経、神経節から標的細胞(効果器)までの無髄のニューロンを節後神経という。 交感神経の節前神経は第1胸髄～第3腰髄の中間質外側核から出て、交感神経幹神経節(傍脊椎神経節)または椎前神経節(腹腔神経節、上?下腸間膜神経節)で節後神経とシナプスを形成する。節後神経は直接または血管周囲神経叢を通って効果器に至る。 副交感神経の節前神経は、脳幹の起始核(ＥＷ核、上?下唾液核、迷走神経背側核)から出る頭部遠心性と、第2～第4仙髄の中間質外側核から出る仙部遠心性に分けられる。頭部遠心性のうち、ＥＷ核、上?下唾液核から起こるものは第Ⅲ、Ⅶ、Ⅸ脳神経に混じって毛様体神経節、翼口蓋神経節、耳神経節、顎下神経節で節後神経に乗り換え、迷走神経背側核から起こるものは迷走神経に混じって標的臓器の壁内または近傍にある神経節で節後神経に乗り換える。一方、仙部遠心性の節前神経は骨盤神経に混じって標的臓器の壁内または近傍にある神経節で節後神経に乗り換える。頭部遠心性も仙部遠心性も節後神経は短い。 交感神経、副交感神経とも