社会福祉基礎構造改革について （中間まとめ）.PDFVIP

社会福祉基礎構造改革について （中間まとめ） 平成10年6月17日 中央社会福祉審議会社会福祉構造改革分科会 本分科会においては、昨年11月以来、社会福祉基 いくことが期待されている。 礎構造改革についての議論を行ってきた。　この間、 〇　こうした期待に応えていくためには、社会・経 13回にわたり会議を重ねるとともに、現地視察も実 済の構造変化に対応し、必要な福祉サービスを的 施した。その議論の内容を踏まえ、今般、次のとお 確に提供できるよう、社会福祉の新たな枠組みを り中間的なとりまとめを行った。 作り上げていく必要がある。 今後、これを基に国民各層において幅広い議論が 〇　近年、児童福祉法の改正や介護保険法の制定な 行われることを期待するとともに、本分科会におい どが行われ、今後の社会福祉の基本的な考え方と ては、関係者の意見も踏まえつつ、更に検討を深め なる個人の自立支援、利用者による選択の尊重、 ることとする。 サービスの効率化などを柱とする取組が進められ ている。 Ⅰ　改革の必要性 ○　しかしながら、社会福祉の基礎構造ともいえる 社会福祉事業、社会福祉法人、福祉事務所などに ○　今、時代の大きな転換期を迎えている。少子・ ついては、戦後50年の問、基本的な枠組みに変更 高齢化や国際化の進展、低成長経済への移行をは が加えられていない。 じめとする構造変化は、戦後において築き上げら ○　国民が社会福祉に求めるものは、今後、ますま れた我が国の社会．経済構造全般にわたる変革を す増大するとともに多様なものになると考えられ 求めている。 るが、現状のままでは、このような要請に十分対 ○　社会福祉についても、今日の制度は、戦後間も 応していくことは困難である。 ない時期において、戦争被災者、引揚者などが急 ○　以上のような状況を踏まえ、今こそ、社会福祉 増する中で、生活困窮者対策を中心として出発し、 の基礎構造全般について抜本的な改革を実行し、 その後の経済成長とともに発展を遂げてきた。 強化を因っていく必要がある。 ○　今日、「幸せ」の意味も実に多様なものとなっ てきており、社会福祉に対する国民の意識も大き Ⅱ　改革の理念 く変化している。少子・高齢化の進展、家庭機能 の変化、障害者の自立と社会参加の進展に伴い、 ○　成熟した社会においては、国民が自らの生活を 社会福祉制度についても、かつてのような限られ 自らの責任で営むことが基本となるが、生活上の た者の保護・救済にとどまらず、国民全体を対象 様々な問題が発生し、自らの努力だけでは自立し として、その生活の安定を支える役割を果たして た生活を維持できなくなる場合がある。 ◎社会福祉基礎構造改革について（中間まとめ） ○　これからの社会福祉の目的は、従来のような限 るとともに、社会福祉に対する信頼を高めるため、 られた者の保護・救済にとどまらず、国民全体を サービスの内容や評価等に関する情報を開示し、 対象として、このような問題が発生した場合に社