情報通信ビルを支える設備技術.PDFVIP

情報・通信特集 情報通信ビルを支える設備技術 須藤勇 ISAMUSUTO (鮎蒜晶晶品㌫ティ-ズ軒建築紺本部) 力会社から聞き取りを行い,要求条件を満足でき はじめに るか調査して判断することが重要である。 近年,IT技術に関する内容の記事が新聞を賑 建物の基盤設備として必要なライフラインには, わしている。また携帯電話の爆発的な利用者の増 (丑通信ケーブル,(む電力ケーブル,③上下水道, 加により無線基地局や交換・伝送・無線装置等を (り都市ガス,等があるo中でも特に重要な通信ケ 収容する情報通信ビルの構築が増加している。 ーブルについては,伝送ルートを2ルート確保す 一方,インターネットユーザーの増加は,各種 る等の対策を行い,地震・火災等の災害時にも確 のプロバイダーの増加を促し,ネットサーバーを この情報 実な通信が可能な施設を構築している。 設置するデータセンターの構築も増加している。 通信ネットワークの伝送路は,同軸ケーブルや大 これらはどちらも情報通信ビルと位置付けられ 容量で広帯域の情報伝送が可能な光ファイバーケ る。これらのビルは,インフラとして多数の光回 ーブルが使用されている。 線やメタル回線を収容し,機械室には各種装置や また,電力ケーブルについては地域の電力会社 ネットワーク機器を設置することにより,データ と協議を行い,ビルの需要電力量に基づいて契約 の蓄積・交換・伝送等の必要な業務を行えるよう 電力を想定し,自家用受変電設備の受電方式を決 になっている0 定している。特に高圧受電方式の場合は2回線受 さらに,これらの有線系システムに加えて無線 電方式を採用し,災害に強く保守が容易な電源設 系のマイクロ回線を持ち,システムの多重化を行 備を構築している。 い,故障時や災害時にも通信を途絶させないシス また停電対策として,通信用予備発電機や防災 テムを構築している。 用発電機を設置している(小規模な場合は兼用す 一方で,地球環境保護に配慮して「グリーン設 る場合が多い)0 計」を取り入れるなど環境に優しいビルの構築を 2ルート化については,建物内部の通信ケーブ 目指している。 ルシャフトや電力ケーブルシャフトについても積 このような社会の急速な通信需要の増加を支え 極的に実施し,故障時や災害時の信頼性向上を図 る情報通信ビルの設備設計を行った中で採用した っている。 設備技術の特長や省エネルギー技術等について紹 情報通信ビルのケーブル引き込みおよび幹線系 介する。 統図の例を図-1に,契