国指定史跡新田原古墳群史跡整備にともなう発掘調査概.PDFVIP

新富町文化財調査報告書　第25集 国指定史跡｢新田原古墳群｣史跡整備にともなう発掘調査概要報告書 祇園原古墳群Ⅰ 1 9　9　8 町教育委員会 国指定史跡｢新田原古墳群｣は新富町の西部台地を中心に分布しています｡ 昭和19年には国の指定措置を受けていますが､近接する西都原古墳群の影に隠れ その存在はあまり知らされていないのが実状です｡ しかしながら古項時代前期の西都原古墳群と古墳時代後期の新田原古墳群はそれ ぞれの時期を代表する県内で最も規模の大きい古墳群であり､日向地方全体の歴史 を語るうえで非常に重要であります｡ 本町ではこの重要な古墳群を致損から守り､歴史を学ぶ場として整備･活用する 計画を立案しました｡本年度の調査は整備に向けた遺構の確認調査で今後の復元等 に必要とされるデータ収集にあります｡ 調査は来年度も継続を予定していますが､百足塚古墳の周溝からは九州では初見 事例となる鹿形埴輪や人物埴輪の男根などが出土し､今後の調査成果が期待されま す｡ これらの調査成果を学術振興に資すると共に､これらをもとに整備活用を推進し､ 広く生涯学習の場で文化財の活用を図っていく予定です｡ 平成10年3月 新富町教育委員会 教育長　　浦 郁　　雄 ■■■■■▼ 1 芦■■■芦芦FJ ■■■■■■■｢ 1 ▲ 頂きj 1.本書は平成9年度に宮崎県児湯郡新富町で実施された国指定史跡｢新田原古墳群｣の史跡整 備にむけた確認調査の概要報告書である｡ 2.調査は文化庁の国庫補助事業｢記念物保存修理･一般分｣をもとに実施され､本書作成経費 もそれによる｡ 3.調査の体制は次のとおりである｡ ○総　　　括　清　　郁雄(新富町教育長) 図師　　勉(新富町社会教育課長) 高正　静夫(新富町社会教育課長補佐兼社会教育係長) ○庶　　　務 山崎　和子(新富町社会教育課副主幹) ○調整･調査 有馬　義人(新富町社会教育課主事) ○指　　　導 小田富士雄(福岡大学文学部教授･考古学専攻) 森本　幸裕(大阪府立大学農学部教授･緑地修景学専攻) 柳沢　一男(宮崎大学教育学部教授･考古学専攻) ○参加学生 藤本貴仁､松永幸寿､松尾茂樹､長友俊博 ○作　業　員 滝口則雄､滝口恵美子､岩下ヨシ子､野尻富子､日野君代､杉尾美千子､ 新恵トシ子､大原一彦､日野仁美､小守容子､宝崎忠昌､吉野大､倉永喜､ 土屋信好､河野隆子､出井ク二､江口栄子､宮ケ中千穂 4.発掘調査は平成9年7月から9月､平成10年1月から3月まで行なった｡ 5.本書の執筆･編集は有馬が行なった｡｡ 6.本書で使用される図面の実測･トレースは有馬､小守､長友､松永が行なった｡ 7.本書で使用する方位は第1 -5図以外はすべて磁北である｡ 8.本書でいう｢新田原古墳群｣は国史跡の指定名称で､実際には古墳の集中する地区毎に別個 の古墳群として把握でき､東から塚原､石船､山之坊､祇園原の各古墳群と呼んでいる｡ 今回の整備･調李の対象は祇園原古墳群である｡ 9.調査関連資料および出土遺物はすべて新富町社会教育課が一括保管している｡ 本文　目　次 第1章　はじめに 第1節　調査の経緯と本報告の