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岐阜大学 准教授 合掌 顕 氏 秦野市民のライフスタイルとエコ意識・行動の関係 合掌 顕 氏 岐阜大学 准教授 1. 研究の目的 私は環境心理学を専門にしています。秦野市において環境未来都市ということでどのようなことができるかと 考えたときに、秦野市の中の自然、特に湧水などを、例えば夏季の耐暑行動、暑さを避ける行動に使えない かと考えました。一方で、秦野市役所の方から、夕涼みをしている人はほとんどいない、湧き水はあるけれど もそれほど利用されていないという実情を伺いました。 環境があるにもかかわらず、それがエコ行動に直接つながらないのは、他に原因があるのではないかという ことで、環境と行動の関係は市民のライフスタイルによって異なるのではないかという図を考えてみました（図 1）。 図1 2. アンケート調査 そこで、秦野市のさまざまなライフスタイルの方を対象として、エコ意識と行動、夏季の耐暑行動と自然環境 利用の関係について、アンケート調査を行いました。アンケート調査は、市内の 4 地区の自治会に依頼し、各 自治会を通じて配布していただくという形で行いました。 その結果として、配布の仕方も関係あるのかもしれませんが、久野先生のご発表とは逆に、60 歳以上の方 が非常に多くなっています。 3. 調査項目 今年の6～7 月にアンケートを実施し、データの入力等が終わったのが8 月の終わりでした。図2 にあるよう な項目を聞いたのですが、本日はその中で特にライフスタイルとエコ意識・行動について、結果の一部を報告 させていただきます。 図2 4. 居住者のライフスタイル まずは、特に余暇活動でどのようなことを重視しておられるかということからライフスタイルをはかり、クラスタ ー分析を用いて回答を4 種類に分類しました（図3）。クラスター1～4 がその分類で、クラスター1 が116 人と、 半数を占める構造になっています。 図3 5. 各クラスターの特徴 クラスター1 は、生活に関して特定の特徴がありません。一方で、クラスター2 は、さまざまなことに対して「当 てはまる」と答えている傾向があります。クラスター3 は、「老後」というキーワードであるとか、地域の習慣を重 視するような回答の傾向が見られます。クラスター4 は、読書、映画鑑賞、旅行などの余暇や、特に食に関す る記述が多いという結果でした。 まとめると、クラスター1 は、ライフスタイルの特徴はないのですが相対的に40 代が多く、職業は会社員、ア ルバイト、パートが多い。居住年が比較的短い。比較的若い方のクラスターになります。クラスター2 は、どの スタイルにも「当てはまる」とされていて、あくまでも他のクラスターと比較してですが、90 代の方が多い。多趣 味・積極型です。クラスター3 は、先ほどお話ししたとおり、老後重視・地域密着型です。クラスター4 は、余暇・ 食生活重視型としています。 6. ライフスタイルとエコ意識 ライフスタイルとエコ意識の比較です（図 4）。地球温暖化、オゾン層の破壊、無秩序な森林伐採、生物多様 性の喪失、他国からの汚染物質の流入という五つのエコ意識のうち、森林伐採に関して、クラスター1 と3 にだ け有意な差がありました。温暖化でもこれらのクラスター間に有意な傾向があったという結果です。 図4 7. ライフスタイルとエコ行動 エコ行動に関しては、省エネタイプの電化製品を選ぶ、照明やテレビのスイッチをこまめに切るといったとこ ろはどのクラスターでも共通しているのですが、一方で、各クラスターで特徴的な結果も見られています。 例えば、テレビ、電子レンジなどのコンセントを抜くというのは、省エネ行動の中でも比