爱语平成25年2月第2周放送-soto.PDFVIP

愛語 平成２５年２月第２週放送 あいご あいご 「愛語」と聞くと、みなさんは動物愛護などの愛護を思い浮かべるかもしれません。 げんご あいご しかし、本日のお話の愛語は、愛情の愛に言語の語と書く 「愛語」です。 どうげん しょうぼうげんぞう 道 元禅師が著された 『正 法 眼 蔵』の中に、在家信者のために書かれたと考え ぼだいさったししょうぼう まき ぼさつ られる 「菩提薩 四 摂 法」という巻があります。これは、「菩薩が行う、生きとし ふ せ あいご りぎょう どうじ 生けるもののための四つの行い」という意味で、布施 ・愛語 ・利 行 ・同事の四つが 説かれています。菩薩とは、地蔵菩薩や観世音菩薩などに代表される仏さまのことで、 ちか 自分だけでなく、あらゆる苦しみから人々を救おうと誓いを立てて、仏教の修行を続 ししょうぼう ける仏さまをいいます。たくさんあるお誓いの中の一つ、四 摂 法の中の二番目が 「愛 語」です。 あいご 「愛語」について道元禅師は、 「愛語というのは、まず、いつくしみの心を起こして、やさしくいたわりのある言 ぼうげん 葉をかけなさい。決して暴 言を吐くようなことをしてはならない。」と説かれます。 例えば、病気の人に対して、「お大事に」と声をかけます。また、久しぶりに会った きづか 人などに、「ご機嫌いかがですか」と相手を気遣う言葉をかけます。こうした行いをし ていれば、次第に愛語が増えていくはずです。 「生きている間は好んで、やさしく、いたわりのある言葉を使いなさい。」と道元禅 いまし 師は 戒 めます。 ですから、愛語を使う際には、「まず、いつくしみ愛する心を起こす」ことが大前提 になるのです。 こうちゅう おの 『口 中の斧』という仏教の言葉があります。口の中に斧があるという教えです が、簡単に言うと、言葉も使い方によっては相手や自分を傷つけてしまうということ を戒めた教えです。挨拶もなく文句ばかりを言っていては、いつくしみ愛する心など 起こるはずもありません。 私たちの一日は、朝の挨拶から始まり、外に出ると、「大丈夫ですか」「すみません」 「お先にどうぞ」「ありがとうございます」、そして家に帰ると「ただいま」と言い、「お やすみなさい」で締めくくるわけです。 曹洞宗関東管区教化センター めん む 道元禅師は、さらに、「面と向かって、やさしくいたわりのある言葉を聞くと、顔 ひと の表情も良くなり、気持ちも晴れやかになることでしょう。また、人づてに聞いた、 たましい やさしくいたわりのある言葉は、心や 魂 にまで刻み付けられるのです。」と説かれ ます。 そっせん どうぞ、みなさんも、やさしくいたわりのある言葉を率 先して使おうではありま せんか。 － 終 － 曹洞宗関東管区教化センター