title 水稻の干田直播栽培における出芽の生态と促进に关する 作物学的 .pdfVIP

水稲の乾田直播栽培における出芽の生態と促進に関する Title 作物学的研究( Abstract_要旨 ) Author(s)上山, 泰 CitationKyoto University (京都大学) Issue Date1973-07-23 URL /2433/220108 Right Type Thesis or Dissertation Textversionnone Kyoto University 氏 名 上 山 泰) うえ やま ゆたか 学 位 の種 類 農 学 博 士 学 位 記 番 号 論 農 博 第 464 号 学位授与の日付 昭 和 48 年 7 月 23 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当 学位論文題目 水稲の乾田直播栽培における出芽の生態と促進に関する 作物学的研究 (主 査) 論文調査委員 教 授 渡部忠世 教 授 川 村 登 教 授 植木邦和 論 文 内 容 の 要 旨 本論文は, 水稲乾田直播栽培において,機械播種をした場合に, 出芽の不斉あるいは不能がしばしば発 生することに注目して, 出芽の生態と促進について,主として幼苗諸器官の伸長量を中心とした研究結果 ｡ をとりまとめたものである｡ その成果の主なものは, 次のとおりである (1) 機械播種を行なうと, 種籾は種々の厚さに覆土されるのが通常であるが, 覆土の厚さが 3cm以下 であれば, 幼芽は軸出力の強い鞘葉および不完全葉の伸長のみによって出芽が可能である｡ 覆土が厚くな るにつれて,上位の本葉の薬箱および上位の節間の伸長に依存して出芽が行なわれる｡ 上位本葉の菓鞘や 上位節間は抽出力が弱いため, 覆土が厚い場合には種籾が出芽不能となる過程を明らかにしている｡ (2) 圃場の実際面における出芽の良否には, 土壌の理学性, 砕土整地の精粗, 覆土する土塊の大きさ, 播種期の早晩, 播種期および播種直後の気象条件などが関与する｡ これらのうち,特に土壌の含水比と, 覆土する土塊の大きさは, 出芽に影響するところが大きいことが認められた｡ 出芽に好適な含水比の範囲 は, 覆土 3cmの場合には20-50% (最大容水量比, 約30-80%)であるが, 7cm の場合には40% (最 大容水量比, 約70%)以上ではほとんどの種籾は出芽不能となる｡ 一般的に, 覆土が厚いほど, 出芽に好 適な含水比の範囲がせまくなることを明らかにしている｡ また, 覆土する土塊が大きい場合には, 幼芽, 特に鞘葉の伸長が抑制されることによって, 出芽の不斉が生ずる｡表層に直径 0.5cm程度の土塊が重量 比で50%以上存在するように砕土されることが, 出芽を良好にする上に望ましい条件であることを実験的 に確かめている｡ (3) 出芽を促進するための予措として, 種籾を水に浸漬することは, 発芽勢をたかめても, 出芽そのも のを良好にする効果は認められない｡ 同様に,IAAやTIBAの溶液に浸漬後播種しても, 出芽を促進す る効果はほとんど認められない｡ しかし, 市販のジベレリン(GA)の 50-100ppm 溶液に24時間浸演を 行なってから播種すると, 出芽促進の効果が著しい｡ GA処理の前に24時間の水浸処理を加えることによ って, さらに出芽を促進しうることも判明した｡ GA処理による出芽の促進は, 抽出力の強い輪業および -938- 不完全葉の伸長促進にもとづくことが認められたO また, GA処理による出芽促進効果は, 品種の早晩性 や草型に関係なく認められ, 出芽後の生育と収量に対しても好結果を示すことが認められた｡