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生物情報科学概論 平成14年4月11日 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 高木 利久 ゲノム(アミノ酸)配列からの構造や機能の予測を目的とする研究分野 2本のゲノム(アミノ酸)配列をアライメント データベースに対するホモロジー検索 配列から種々の特徴的なパターンを抽出 ゲノム配列からタンパク質コード領域を推定 アミノ酸配列から2次構造や3次構造を予測 タンパク質立体構造を比較?分類 配列データや立体構造データを効率よく整理解析するためのＤＢやツールの研究開発から派生し成長発展 最近では、幅広い生物情報(遺伝子発現データや分子間相互作用データなど)も解析の対象 バイオインフォマティクスの誕生 配列データや立体構造データを効率よく整理解析するためのＤＢやツールの研究開発から派生し成長発展 最近では、幅広い生物情報(遺伝子発現データや分子間相互作用データなど)も解析の対象 バイオインフォマティクスの誕生 ゲノムや生命をシステム的に理解する方法論や基礎理論としての側面が強くなってきた システム的 ＝ 数理的構造 ＝ 情報のネットワーク ＝ データベース化 + シミュレーション インフォマティクス：情報の単なる整理のイメージ強い 計算生物学(computational biology) ゲノム情報科学(genome information science) 生命科学の側面（情報数理的な見方、基礎理論） 情報科学の側面（研究支援の道具） 基礎学問としての側面 産業応用のための側面 バイオインフォマティクスとは 探索空間を狭めてくれる情報技術と それを可能とする理論(特徴は予測性にあり) ゲノムデータベースの統合化と再編成 リンクによる種々のデータの統合化 配列間の相同性 遺伝子とその産物 配列と立体構造 配列と文献情報 タンパク質とモチーフ ? ? ? 背景：配列データだけからは機能の推定困難 遺伝子発現情報DB 分子間相互作用DB 変異DB、SNP‐DB、疾患DB ゲノム比較解析DB 専門用語辞書(遺伝子辞書、タンパク質辞書) ? ? ? 事例ベース　　 → モデル化 決定論的?定性的 →　 確率論的?定量的 逐次処理　　 →　 並列化による高速化 ??????検索以外の解析手段の多様化 　??????検索を越えられない 　配列ベース、個々の分子レベル解析の限界 ある表現型とアソシエートする遺伝子の同定 遺伝子のクラスタリングによる機能の推定 遺伝子制御ネットワークの同定 一つの種類のデータの解析?解釈では不十分 種々のデータ、解析結果、知識の比較?統合必要 統合化(integrative biology/bio-informatics) 既存の生物知識の活用 データベースのさらなる統合 情報主導?仮説主導の実験 (知識発見、シミュレーション) さらなる統合化に向けて 既存知識の体系化　 機能データベースの開発 機能データの収集　　　 文献からの知識抽出 機能の表現 高次知識の表現法 機能の類似性 類似性の計算法 DBのさらなる統合化　 オントロジーの開発 情報?仮説主導の実験　 統合生命科学の開拓 バイオイメージングなどを使った細胞や個体の分子レベル観測技術の開発とそれによる体系的情報収集 文献（テキスト、図）からの知識（機能情報）抽出 抽出したい知識の例： タンパク質間相互作用情報や遺伝子発現制御関係情報 ゲノム配列 ATGCの文字の並び タンパク質立体構造 原子の座標 相互作用 2項関係 発現情報 発現強度(数値) 機能、生物知識 これまでは図や文章で表現 今後はより形式的なものへ (人間も計算機も理解可能な) 現在は予測しても検証すべき手段なし 予測精度の改善に向けたフィードバック必要 システム的理解には機能データベースの構築やシミュレーションに必要なパラメータ収集が不可欠 知識発見には質の高いDB必要 ATGCCTTGGTATAATCCTATGAGTATCG... AATATACTATA... TATTGGCTAGC