脂肪族ジカルボン酸中のメチレン数がその反応性に及ぼす . 新大学.pdfVIP

ノ　ー　ト 11川川nunl∥[[I川∥川 脂肪族ジカルポン酸中のメチレン数がその反応性に及ぼす影響 (T-for-H交換反応の利用) 今泉　洋,加藤晶久暮,趨　束宇,狩野直樹 新潟大学_工学附ヒ学システム工学科. *同大学大学院自然科学研究科 950-2181新潟市五十嵐二の町8050 2002年3月4日　受理 起こるT-for-H交換反応を同気系の形で観測し, 1.緒　　言 得られたデータにA　-McKayプロット法を適 トリチウム(3HまたはT)は,放射性水素用して,その反応のkを求め,物質の反応性 であり,その半減期12.3yでβ一線(最大エネを相互比較することで, Tの影響を定量評価す ルギー=18.6keV)を放出し,自身は3Heになることにした。 る。 Tは自然界にわずかに存在(一般の雨水中 用いたジカルポン酸は,直鎖状分子で分子の でH:T=1 :10~18)1)し,同位体交換反応な両端にカルポキシル基(-COOH)を持ち,こ どにより生態系に取り込まれ,生体内に広く分 の二つの-COOHの間にそれぞれ輿なる数のメ 布し,交換反応を起こしやすい官能基などに取 チレン(CHz)を持っている。このCH2の教の り込まれる危険がある2)。したがって, Tの挙違いにより,反応作(Tが及ぼす影響)がどの 動を追究することは重要である。また, T標識 ように変化するかを調べた。 化合物中のTは,他の化合物中のlrIと交換す 転j^^^^f^^^^^^VT^ る傾向がある(T-for-H交換反応3))ので,こ のようなIHを持った化合物が起こすT-for-H2・1気体試料物質 交換反応を追究することも重要である。 実験に用いたHTO水は,日本アイソトープ そこでこれまでに,不均一系(囲気系4I・5)お 協会から購入したもの(5mCi/ml)を希釈し, よび固液系6).7))でのT-for・H交換反応を観測20/;Ci/mlにして使用した。 1回の実験には, し,得られたデータにA　-McKayプロットHTO水7.22mgを用い,これを其空ライン8) 法・0.5)を適用し,これらの反応の速度定数(k)中の反応器に導き,反応器内でHTO蒸気にL を得て, Tがそれぞれの物質に与える影響の度 m 合いを定量的に求めてきた。 以上の一環として.本研究ではT-for-H交換2・2　間体試料物質 反応における種々のジカルポン酸の反応性に与 固体試料であるジカルポン酸の名称や化学式 えるTの影響を明らかにすることにした。そ をTablelに示す。ここでは簡略化のため,そ れぞれコバク酸,アジビン鼠　スベリン酸,セ の手段として, H10分:[・を含んだH20点気 (HTO茶気)と間体のジカルポン酸との間でバシン酸と呼ぶことにし,各物質はそれぞれ (18) Jun. 2002　　　　　　今泉,他:脂肪族ジカルポン酸の反応性(T-for-H交換反応の利用)245 Butanedioic acidSuccinic acid　　　打ooc-cc推2)2-COOH Hexanedioic acid Octanedioic acid CH2を2,4,6,の偶数個持っている。奇数ていることを確認する実験を次のように行った。 個のものは,融点が低く固気反応に適さないた 気体試料を一定にして, 1回に使用する固体 め除外した。 試料の量を変え, 2-3で示された実験を行う。 各試料はめのう乳鉢を使って粉砕し,ふるい