高温超伝導実験レポート enter or uclear tudy.docVIP

高温超伝導実験レポート 【実験の目的】 高温超伝導体Yba2Cu3O7の超伝導臨界温度 Critical Temperature の決定 マイスナ－効果の確認 【原理】 超伝導の原理（概要：BCS理論から） ?過程１：イオン（＋）と自由電子が打ち消しあって、電気的に中性になる。そこへフェルミエネルギーに近い速度Vの電子が飛び込む。 ?過程２：飛び込んだ電子がイオンを引き寄せ、格子が変形してプラスに帯電する。そのため速度Vの電子が引力を受ける。 ?過程３：速度-Vの電子がプラスの帯電に引き寄せられる。その結果速度Vと-Vの二つの電子は引き合いペアになる。 ?過程４：電子（フェルミ粒子）が２個対になる（Cooper-pair）。Spinは+,-加えてゼロ。 →ボーズ粒子になる。 ?過程５：波長がマクロな大きさの波動関数になる。 →波長が障害物（抵抗体）よりはるかに大きいので、回折して通り過ぎる。 ?結果：抵抗がゼロになる。 マイスナー効果の原理 ?過程：超伝導体表面のきわめて薄い層に強い電流が流れて、電磁誘導により外部磁場を打ち消す。 ?結果：完全反磁性体は超伝導状態になると磁力線をすべてはじき出す。 【実験方法】 高温超伝導体YBa2Cu3O7の作成 使用原料 Y2O3:1.1座机电话号码　 g BaO2:3.座机电话号码4　 g CuO:2.座机电话号码9　 g を混合後、約１００ kg/cm2 でプレスしペレットを作成。 次に作成したペレットをボックス型電気炉で焼結させる。 ********************************************************************************** 電気炉の温度設定 過程１：室温から１０００℃へ温度上昇（所要４時間） 過程２：１０００℃で維持（所要１５時間） 過程３：１０００℃から５００℃へ温度下降（所要５時間） 過程４：５００℃で維持（所要１２時間） 過程５：５００℃から１００℃へ下降（所要４時間） 過程６：１００℃で維持 焼結開始から約９２時間後に取り出し *********************************************************************************** 超伝導特性の測定?観察 過程１：４端子法を用いて電流端子と電圧端子を超伝導試料に銀ペーストで接着。これを電気炉で焼いて定着させる。 過程２：試料を資料ホルダーに半田付けで接続する。 過程３：資料ホルダーをクライオスタットに装填する。 過程４：試料室内をロータリーポンプを用いて真空にする。 過程５：試料室内を窒素ガスで置換する。 過程６：液体窒素によりクライオスタットを液体窒素温度まで冷却 過程７：PCソフトウェアに資料の形状を数値入力。自動計測により温度―抵抗率特性を出力する。 マイスナー効果の観察 液体窒素により冷却した試料を磁石上に置き、浮き上がることを観察する。 【実験結果】 超伝導体の測定?観測 電気抵抗率の温度変化は以下のグラフのとおり。 マイスナー効果の観察 数mmの浮遊を観測。 【考察】 超伝導臨界温度 Critical Temperature の決定 グラフ１より超伝導臨界温度、すなわち抵抗率が０になる温度はTC 82.53 k であった。 1987年のChuによる高温超伝導帯Y-Ba-Cu-Oの発見ではTC 90 K であった。 高温超伝導体Yba2Cu3O7の構造 高温超伝導体Yba2Cu3O7の構造は隙間の多い層状構造をしている。さらに詳細について参考文献には書かれていたが、現在の私の知識では理解できないものであり、誤った表現になる恐れがあるので、ここでは割愛する。 焼きなましの重要性 Yba2Cu3O7は非常に不安定な物質らしい。作成した焼く作業によりはじめて超伝導特性をえられる。試料は通常９００℃付近で酸化するが酸化が最大になるのは３５０℃付近で焼きなましする時であるらしい。この結果、原子配列が変化し、超伝導特性を持った安定な物質になる。 Cuの作用 高温超伝導体には必ずCuが含まれるがなぜだろうか？構造上の理由だろうか？疑問が残る。