悠遊小豆島回航記-mbyc.docVIP

悠遊小豆島回航記 （年金族のクルージング日記） Ｙ氏所有の悠遊をこの冬整備のため、岡崎造船のある小豆島へ回航し、併せて１１月７日（日）の岡崎造船「里帰りヨットレース」に参戦しようとのことで、ＭＢＹＣの年金族に声がかかり、Ｓ氏?Ｋ氏（やや現役）?Ｈさん?Ｔ氏と５名で均年齢６０歳オーバーの回航メンバーが揃いました。 当初の計画は１０月２５日の早朝に出発し、浜田あるいは三隅までが初日の航海で、翌日は角島又は室津まで行き、瀬戸内メンバーとの交代を行うといった計画でありました。 しかし天気予報を見ると２６日は北西の風で向かい風になると判断し、前日２５日にメンバー全員揃って居たため、急遽準備でき次第出航し、行けるところまで行こうと言うことになり、全員あわてて一旦自宅へ帰り準備を行い素早く買い物も済ませて、 境港～加賀１０月２５日１３：３０(２４マイル)に境港公共マリーナを出港しました、天候は曇りでフルメイン＋機走にて３時間（１６：３０）で多古鼻をクリア出来、恵雲港をあきらめ加賀港へ入港を決定し１７；００頃加賀港へアプローチしようとしたら急遽雨?風共に一気に強まり、視界も一瞬にして見えなくなり、全員必死で灯標を探しながら加賀潜戸の観光船桟橋に係留を行った。 ここで夕食をと準備したら、調味料をすべて艇から下ろしていたため、漁協マーケットまで雨の中買い物に行き、夕食はビールやお湯割り?親子丼で話題も弾み、明日早朝０４：００出航と言うことで朝に強いＹ氏とＫ氏がワッチとのことで９時ごろ就寝となったがうねりが入り艇が揺られ中々寝付けない中、夜中の１時頃舫ロープが切れた為艇に移動を行い何とか就寝となった。 加賀～温泉津１０月２６日０４：００(６５マイル)に予定通りＹ氏?Ｋ氏?Ｈさんの３名が目覚まし時計のごとく起床してメインは２ポンリーフで加賀港を出港した、出港直後は星空で無風?波も無い状態であったが、この直後Ｋ氏は体調不良と船酔いでダウンした模様で、朝６時頃、Ｈさんが悲痛な声でＳ氏?Ｔ氏を起こし、一気に風波が強まりＹ氏一人でコントロール出来ないので、大至急応援とのことで雨風の強い中Ｔ氏が上着?カッパを着る余裕なくメイシーとのコントロールを行い艇の態勢を立て直した。その後カッパを着用したＳ氏と交代しＴ氏はキャビン内でカッパを着用しようとしたところ、大きなヒールに巻き込まれ、キャビン内で転倒し胸を強打し腕時計の吹っ飛ぶほどの衝撃で、力が出せない状態となった、 日御碕手前の潮流の影響なのか風力発電の光が中々視界から離れない中、Ｓ氏も船酔い症状になりキャビン内でダウン状態となり、Ｋ氏?Ｓ氏?Ｈさん三名が「大まぐろ」になり、一人元気なＹ氏のヘルムと、胸を強打したＴ氏の二名がコックピットで操船する状態で日御碕をクリアしました。日御碕沖は約５マイル離して航行したが、潮の影響と地形の影響からか波の波長が短く艇がコロコロと操船が困難な海域でありました、この海域では風向は北東１２ｍ?波高は３ｍ程度でありました。 日御碕を８時にクリアし、浜田へ向けて沖出しコースをとりましたが、この頃から風向は北東?風速が１６ｍ波高５ｍと大荒れの海域となってきました、大波の中切りあがりを防ぐため大きくヘルムを右?左とバランスをとっていたが、想定外の大波でワイルドジャイブとなりこの時一気に２ポイントリーフしたメインセールが裂けました。 キャビンの中は荷物が散乱し特にＫ氏は大変重症な船酔いで生気が全くない状態で血が混じった胃液をゲロしたり時折デッキに「ゲロ吐き」に出ても足元が不安で大変危険な状態でした。 Ｓ氏も下痢気味と船酔いで一気に生気がなくなり、人相は１０歳も老けた感じがしました Ｓ氏はチャートテーブルの椅子に座り切ったまま身動き出来ない状態で、ヒールしたときに反対のギャレーから寸胴鍋が吹っ飛んできて向こう脛に当たりたいそう痛がっていました、Ｈさんも同様でバースに口を押さえて座ったままで本当に皆さん我慢の航海でありました、デッキで海面を見ても５ｍの波が押し寄せ、その波の頂点を風が吹き飛ばし、そのあたりの海面が緑色になる状況で風速は１６ｍ以上であったと思う。 クルーの体調を考慮し当初予定の浜田をあきらめ温泉津港へ入港することに決定し温泉津へアプローチするものの、港へ近づくにつれ両側が岩盤の温泉津港は近づくほどの波高も高くなりまた岸からの反射波もあり、その中をジャイブしてコースを変更しなければ入港出来ない中、意を決しで６ｍの大波に乗って何とか無事に１２：１５入港できた次第です。 入港後もＫ氏は完全にダウンで米子からもう一人のＫ氏に迎えにきて貰い、下船するとのことで手早く艇を片付け、まずは温泉へと風呂に行き、温泉に浸かってやっと一安心と達成感で疲労回復を図りました、入浴後隣の旅館のロビ