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社会問題とゲーム理論 １.社会学 Wikipedia では社会学を次のように定義する． 社会学（しゃかいがく、英: sociology）は、社会現象の実態や、現象の起こる原因に関するメカ ニズム（因果関係）を解明するための学問である。その研究対象は、行為、行動、相互作用と いったミクロレベルのものから、家族、コミュニティなどの集団、組織、さらには、社会構造やそ の変動（社会変動）などマクロレベルに及ぶものまでさまざまである。思想史的に言えば、「同 時代（史）を把握する認識・概念（コンセプト）」を作り出そうとする学問である。（１） 私は社会学の主なテーマともなっているゲーム理論を通して，この学問が何を探求し、社会 にどのように知を還元するものなのか考察していく． ２.ゲーム理論 ゲーム理論（ゲームりろん、英: Game theory）とは、「相互作用を及ぼしあう複数、又は単独の 主体の振る舞い」に関して研究する応用数学の一分野である。（２） このようにゲーム理論は応用数学の分野であるが，最近は工学や経済学，経営学，社会学， 政治学などの社会科学への応用も多く見られる．中でも経済学において経済を検討する伝統 的な手法に対する強力な対抗策として台頭し，注目を浴びている． ３.経済学でのゲーム理論 以前の経済学において，他の経済主体の行動が自分の利益に影響を与えることはな かったが，しかし，現実の経済現象においては，自分の利益が他の経済主体の行動に 影響を受けている．このような場合，自分の最適な行動は他者の行動によって変化し， 他者にとって最適な行動は自分の行動により変化する．このように，最適な戦略が相 互に依存し，相手の戦略を読み合う必要が生じるような状況がゲーム理論の分析対象 となる． （3） そもそも，このゲーム理論には，各人は自己の利益を最大化を目標として行動する という前提がある．その際に各人は合理的に判断して，自己の戦略を決定する．従っ て，他者（競争相手）のとる戦略を予想して，自己の戦略を立てるようになる。より 簡単に言い換えれば，「相手はどう来るか？」，「自分はどう対応すべきか？」を考える ことが，ゲーム理論であると言える． ここで，囚人のジレンマという有名な例を挙げゲーム理論を詳しく見ていく． ４.囚人のジレンマ 囚人のジレンマというのは，個々の最適な選択が，結果として，悪い状態になることを示した ものであり，互いに協調する方が裏切り合うよりもよい結果になる事が分かっているにも関わら ず，皆が自身の利益を優先している状況下では、互いに裏切りあってしまうというジレンマであ る． 具体的に述べると，協力して犯罪をした二人が捕まった時に，証拠がつかめないので警官が 犯人であろう二人に「相方の罪を証言すれば，相方は5 年の罪になるが，お前は1 年の罪に なる．逆も同じだ。」，「だが二人とも証言したら，二人とも3 年の罪になる．」，「二人とも黙秘し た場合は，二人とも2 年の罪になる．」と提案する．このとき犯人であろう二人は別々の部屋に 入れられているため相談することはできない．この二人はどのような行動をとるのか，考察する． 二人の囚人をA，B とする． A は，B が証言した場合，自分は黙秘したら5 年の刑を受けるが，自分も証言すれば3 年の 刑で済む．よって，証言することを選ぶ． また，B が黙秘した場合には，自分も黙秘したら2 年の刑を受けるが，自分が証言すれば1 年 の刑で済む．よって,証言することを選ぶ．これはB に対しても同じことが言える． つまり，A は自己利益を追求した場合，B がどの行動を選択するにしても，自分は証言して 相手を裏切るのが最適だと考える．これがお互いに行われるため，自分にとって最適な選択を すると，全体を見たとき互いに不利となるのだ． ５.社会学でのゲーム理論 ここで，社会問題に関する問題をゲーム理論で考察してみる． 私が考察する社会問題は，しばしば問題となっている尖閣諸島問題である． まずは考慮すべき選択肢を選択することから始める．その選択肢は大きく４つある．１つ目は中 国に対する強攻策を研究すること．２つ目は一時的な解決法である，双方沈静化を図ること．３ つ目は中国が悟り，手を引くこと．４つ目は日本が手を引くことである．本来目標とすべきは３つ 目の選択肢である． この尖閣諸島問題で，ある協定が存在するとして，日本と中国が協定を守るか，破るかを選 択できるものとしてゲーム理論で考える． まずお互いに