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長田攻一，1987 『公務員試験 社会学の要点整理〔改訂版〕』実務教育出版． 第Ⅰ章 社会学の成立と発展 １ 社会学の成立 項 目 要 約 コメント 「社会発見」の基礎 「近代自然法論」 としての近代自然 16C.～18C.にかけ世俗化．「合理的自然法論」 法論 自然状態にある個人を前提としてその相互契約によって成立する社会の観念 絶対主義勢力に対するブルジョアジーの反抗としての意味合いを含む 社会を国家と別個のものとして認識しはじめている点で研究対象としての「社会の発見」 方法論的基礎とし 17C.中頃から近代自然法論に対し「特に契約説の合理的かつ観念的な仮説が事実に反する虚構に過ぎない」との批判 ての経験的社会論 18C.後半「社会自然論」：社会は人間の自然的欲望に基づく一個の自然であるとみなす 自然科学の発達に刺激され「経験的社会論」：諸社会の発達を各種の具体的資料によって記述し，思弁的方法をできるだけ排除 した経験科学としての性格を備える立場 ∴対象と方法の両面において社会学成立のための基礎的条件が整備：近代自然法論と経験的社会論 コントの社会学 A ・コント（Auguste Comte （仏）,1798-1857） 1839 『実証哲学講義』（全6 巻）第4 巻で「社会学」（sociologie）使用 「予見し行動せんがために知る」（savoir pour prevoir afin de pourvoir） 社会学を「社会静学（statique sociale）」と「社会動学（dynamique sociale）」とに二分 社会静学〈秩序の理論〉≒社会有機体説 社会有機体も独自の論理に従って分業の進展と協同の和解が行われる 社会動学〈進歩の理論〉 進歩の法則に従って運動する社会過程を扱うもの．人類の精神の進化の法則としての「三状態の法則」 スペンサーの社会 H ・スペンサー（Herbert Spencer （英）,1820-1903） 学 「社会進化論」：進化の法則が無機体としての天体・地球から生命と心の有機体を経て，超有機体としての社会有機体に適用さ れる←ダーウィン,1859 『種の起源』 「社会静学」：「完全社会の均衡」を取扱う 功利主義的個人主義（個人が社会に先行する）の立場→諸々の能力を発揮する自由がすべての個人によって平等に確保された ときに諸個人の営む社会的な機能が相互に均衡を保つ完全社会の状態が生まれる スペンサーにおける社会有機体は抽象的全体：社会がその成員のために存在し，成員が社会のために存在するのではない→具 体的全体としての生物有機体とは異なる 「社会動学」：「軍事型社会」から「産業型社会」への社会進化の過程を解明する 初期社会学の基本 他にL ・フォン・シュタイン（Lorenz von Stein （独）,1815-1890），L ・F ・ウォード（Lester F. Ward （米）,1841-1913） 的性格 （１）総合的認識：社会は生きた全体である．社会現象（家族，政治，産業，経済，宗教，etc.）のすべては全体的関連の中 にあり，個々別々に切り離して適切な認識はできない （２）社会的有機体説：社会有機体は独自の論理を持つ実在，社会実在論の一形式であり，社会契約説を典型とする社会名目 論と異なる．コントは全体に対する義務が強調され，スペンサーでは個人主義的な傾向が強い （３）歴史的発展法則：社会を進化論的に捉え，歴史的変動の不変の法則に支配されているとする→社会動学 （４）実践的志向：歴史的発展の法則は人類精神の進化を規定するもの→科