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125 数学教育研究　第28号　1998 中国におけるコンピュータの教育利用の動向について り　　　　　　　せつ　　　か すず　　　き　　　まさ　　ひこ 李　　　雪　花 鈴　木　正　彦 （北京広播学院大学） 　（大阪教育大学） （1998年3月1日受付） 概　要：中国のコンピュータ教育は80年代の初頭，北京大学，清華大学など五っの大学の附属中学校で 　の教育実験に端を発している。現在，都市から農村，沿海部から内地部へとその輪を広げ，ネットワー 　ク環境も整いつつある。CAIは数学教育でも積極的に採用され，順調な発展が見られる。 　　本稿では，数学教育におけるコンピュータ利用を中心に，その特徴と発展史を記す。 検索語：素質教育，中小学計算機課程大綱，計算機補助教育（CBE），　CAI 1．はじめに 　中国にあって，コンピュータの教育利用は“計算機補助教育”と呼ばれる（Computer－Based 学”）の三分野から構成されている。 　ところで，中国におけるCBEはどのような全体計画のもとに，現在，どのように進展している のであろうか。西暦2000年までの計画と，すでに実行に付された経緯にっいて記してみる。以下， 資料として，「中・小学校コンピュータ教育用ソフトウェアに関する企画」，「中・小学校コンピュー タ教育五ヶ年発展綱領（1996－2000）」，及び，「中・小学校計算機課程綱要（修訂稿）」の三点を採 り上げる5）。 　西暦2000年までの計画 （1）「中・小学校コンピュータ教育用ソフトウェアに関する企画」（1996．9．発布）には，1996年～ 2000年の5年間計画が策定されている。これは，前期，後期の2段階に区切られ，それぞれ以下 のように記されている。 　〔第一段階〕（1996－1997） ①　ソフトウェア関連の審査，検定の方法と基準，教育ソフトウェアの設計，開発基準などを作 　　成すること。 ②既存の教育ソフトウェアから100種類を選定し，整理，修正を行い，全国向けに流すように 　　すること。 ③3～4の学科授業用及び復習用ソフトウェアを新たに100種類開発し，授業の要求に応えられ 126 中国におけるコンピュータの教育利用の動向について るようにすること。 　なお，1997年11月5日には，「中・小学校の教育用ソフトウェアについての審査標準」が 発布されている。 〔第二段階〕（1998－2000） ① 中・小学校の各学年，各科目向けの教育ソフトウェアを開発し，関連教材も編集する。 ② マルチメディアの創作システムを開発し，利用する。 （2）「中・小学校のコンピュータ教育五ケ年発展綱領」（1996－2000） それによると，中・小学校コンピュータ教育の発展目標は次のようである。 　2000年度までに，コンピュータ必修科目を設置する高校を60％に，必修あるいは選択科目を設 置する中学校を16％（ただし，「s市と県だけに限ると42％）に引き上げるようにする，と記され ている。 地　域 学校の分類 最低配置標準に達する学校（％） 若干のコンピュータがある学校（％） 都　市 高　校 80 10 ?w校 U0 P0 ｬ学校 P5 T0 県（市） 高　校 60 20 ?w校 R0 Q0 ｬ学校 T