差圧式圧力计.DOCVIP

圧力の計測 センシング技術（分冊４） ＜第２版＞ 杵嶋修三（主任研究員(株)山武 研究開発本部） 物理量としての圧力の定義は，物質の隣接する各部分が相互に及ぼしあう力の大きさを表す量であり，「単位面積当たりに働く面と法線方向の力」と定義される。物質の各相，すなわち気相，液相，固相，それぞれについて圧力を考えることができる。 固体は，気体や液体とは異なる性質を持ち，固体内においては圧力変化にともなった流動が生じにくいので力の方向性が保存される。つまり，固体内の圧力は方向性を持っており，一点における圧力も方向によって大きさが異なる。固体とは対照的に，気体や液体の流体では力の偏りに応じて自由に形を変え流動するので，圧力は方向性を持たず，ある一点につき一つの圧力値が決まる。流体の動きを支配する重要な因子として、「圧力」があります。物体に外力が作用すると、その応力により形状や寸法に変化が生じます。この変形量を「ひずみ」と言います。このひずみを電気的に計測するセンサの代表が電気抵抗ひずみゲージ（ストレン?ゲージ）とよばれるものです。ストレン?ゲージは素子のひずみによる抵抗変化を利用する計測素子です。圧力センサなどのセンサの構成要素として、あるいは構造体の強度や健全性の判定要素として現在も広く利用されています。  本講座の分冊 基礎編 分冊１a 電気量の計測(電気の基本物理量) 分冊１b 電気量の計測(磁気と電気の相互作用) c 電気量の計測(交流の基礎知識) 展開１d 電気量の計測(回路素子と電気回路) 温度の計測 分冊３ 音と騒音の計測 圧力の計測 分冊５ 分冊６ 振動の計測 分冊７ 超音波の計測 計測と制御 目次 圧力とは 1.1 圧力の圧力の伝わり方 1. 圧力とは 1.1 圧力の圧力スポンジに色々な物体をのせてみる。するとへこみ方は面を押す力が大きいほど、押す面積が小さいほど押すはたらきは大きいことがわかる。よって面を押すはたらきは押す力に比例し、押す面積に反比例していることになる。圧力とは物体と物体とがふれ合っている面(接触面)で、垂直に互いに押し合っているような力のことである。単位はg重/cm2やkg重/cm2が用いられる。＜国際単位系ではパスカル（Pa）が用いられる。1Pa=1N/m2＞　　　　　　　　面を垂直に押す力[g重]圧力[g重/cm2]=――――――――――――　　　　　　　　力を受ける面積[cm2] 物理量としての圧力の定義は，物質の隣接する各部分が相互に及ぼしあう力の大きさを表す量であり，「単位面積当たりに働く面と法線方向の力」と定義される。物質の各相，すなわち気相，液相，固相，それぞれについて圧力を考えることができる。 固体は，気体や液体とは異なる性質を持ち，固体内においては圧力変化にともなった流動が生じにくいので力の方向性が保存される。つまり，固体内の圧力は方向性を持っており，一点における圧力も方向によって大きさが異なる。 固体とは対照的に，気体や液体の流体では力の偏りに応じて自由に形を変え流動するので，圧力は方向性を持たず，ある一点につき一つの圧力値が決まる。この圧力の等方的性質は一般には静水圧という言葉で表されることもある。現象を発見者の名 (B.Pascal1623- 1662)を冠してパスカルの原理という。 SI単位系による圧力の単位パスカルは，彼の名前にちなんで付けられたものである。 全圧力全圧力とは物体力のことである。物体が水平な面に置かれているときはその物体が面を押す全圧力は物体の重力に等しくなる。ほとんどの場合全圧力も圧力と言われている。全圧力=圧力×力を受ける面積大気圧大気圧とは空気の重さによる圧力のことである。また単に気圧とも言う。1気圧=76cmHg=1033.6g重/cm2圧力の伝わり方固体での圧力の伝わり方?固体での圧力の伝わる向き木片を押すと、スポンジは押された向きに圧力を受ける。さらに木片を鉛直方向に押すとスポンジはさらにへこむが、木片の側面に手を触れても圧力は感じられない。圧力の伝わる向きは圧力を加える物体が固体ならば、加えた力と同じ向きに伝わると言える。?面積と圧力の関係(重さ一定)物体ともう一方の物体の触れ合っている面との間の圧力の大きさは接触面積が大きいほど圧力の大きさは小さくなる。面にかかる力の大きさが一定のときは圧力の大きさは力を受ける面積に反比例する。?面が受ける力と圧力(面積一定)接触面の大きさは変えないで物体の重さを変えていくとき、物体が重いほど物体と触れ合っているもう一方の物体のへこみは大きくなる。接触面積が一定のときは圧力は接触面が受ける力の大きさに比例する。 (2) 気体や液体中での圧