林学会杂志-J-Stage.PDF

林 學 會 雜 誌 第十三 卷 第 二 號 (昭和六年二月發行) 論 説 松林に對す るハゲシバ リ混植の效果 に 就 て の 立 地 學 的 研 究 K. Morikawa: A Study on the Effects of Mix-plantation of Alnus firma var. multinervis upon the Development of Pine-forest, as related to Site Factors. (昭和五年四月十三日林學會春季大會席上講演) 森 川 均 一 一 、緒 言 高松營林署管内,香 川縣木田郡庵治村字丸山國有林は、屋島の東方瀬戸内海に突出せる標 高七一米の丘陵海岸松林なるが、(第一圖参照)花崗 岩より成る母岩が各所に露出し、日光の 直射と潮風の爲め、土壤極端に乾燥し、其上附近部落民の燃料缺乏の結果、國有林管理の巌 格ならざりしを機會に、自由に林内に出入して落葉枯枝、柴草の探取を行はれし爲め地被物 を失ひ、甚だ〓悪なる裸地となり,之 に生育せる約六五年乃至百數年生(之 は從來行はれし 樹幹析解の結果より定めたるハゲシバリ混植前の樹齢である)の 天然生老松は(黑 松を主と し之に赤松少し混淆す)殆 んど其生長を休止し,萎縮して樹幹屈曲矮小となり、盆栽状を呈 して、漸次枯死に至ると云ふ所謂瀕死の状態にあつた。 然るに明治三十七年三月(三 六年度)に、高松營林署は總面積二八町歩中二四林班い、ろ Rgl.)の 混植を始め(此 際松の人工補植をも行った)落 葉枯死の採取をも全く嚴禁せし處、爾 後成績良好生長旺盛のものありしも、亦生長の不良なるもの或は枯死せるものも多き爲め、 大正四年三月までに前後四囘に亙り、ハゲシバリの補植を行ひ、又發育不良なるものに對し ては油粕、木灰をも與へ、生長旺盛となるに及びて、撫育間伐を行ひ保護したる結果、之ま で灌木状を呈せし老松が、黑松も赤松も急激に生長旺盛となり、所謂若返りをなして現今に ては全く喬木性となり、同一樹種に拘らず其生活形を全然異にするに至り、欝蒼たる森林を 形成し(第 一圖参照)最 近にでは松の生長量は、ハゲシバリ混植前に比し百數十倍に達し、 (1) 62 林 學 會 雑 誌 第十三巻 第 二 號 森林生態學又は森林立地學上甚だ興味ある問題を與へて居る。 斯かる實例のありし以來.香 川縣直營にて も各所の松林にハゲシバリを混植して良好の 結果を擧げられ(101)、又島根縣下、栃木縣下 (45)や.愛 媛縣西條管林署管内北山國有林 (69)其他各地に混植せられるに至つた。之と 1 1 県 ヨ 圖 越 林 Q 、 . 気 溢 、 す 弼 纏 習 葭 1 1 毬 覇 面 拠 悉 Q 膏 黙 埋 爵 0 1 1 囲 田 ) 緯 域 襲 者 電 ( 同時に此ハゲシバリ混植に依り、松の生長が 促進せられる理由が最も興味あり.且 つ林業