关于《鼻子》中的利己主义.docVIP

『鼻』における利己主義について 【要旨】芥川龍之介は傑作である『鼻』を通して、人間の利己主義を完璧に表している。本論文の主旨は、芥川龍之介の利己思想の形成、心理学の視点から利己主義への認識、『鼻』における主人公の利己主義、傍観者の利己主義という四点に収斂されている。まず、芥川龍之介が生涯中、四人の母親と二人の父親から受けた影響、また、初恋の失敗による影響から、作者の利己思想に対する認識及びその形成を分析する。そして、心理学的な視点から、利己主義を考察する。最後に、『鼻』における主人公や傍観者たちがそれぞれ持っている利己主義について詳しく述べる。こうした作業を通して、『鼻』における利己主義の内実を明らかにする。 【キーワード】芥川龍之介；鼻；利己主義；内供；傍観者 关于《鼻子》中的利己主义 【摘要】芥川龙之介通过《鼻子》这一杰作，完美地表现出了人的利己主义。本论文主要包括芥川龙之介利己思想的形成、从心理学角度认识利己主义、《鼻子》中主人公和旁观者的利己主义四部分。首先，通过芥川龙之介在成长过程中受到四位母亲、两位父亲以及初恋失败的影响，分析作者利己思想的形成过程。然后，从心理学角度看利己主义。最后，阐述《鼻子》中主人公和各个旁观者利己主义的详细内容。以期通过以上论述全面理解《鼻子》中的利己主义。 【关键词】芥川龙之介；鼻子；利己主义；内供；旁观者 はじめにに書いている。もう一つは、狂人の子であるため、自分もいつか狂気になるかもしれないと恐れていた点である。芥川龍之介は生母との幸せな記憶や懐かしい経験はおそらくなかったと言えるであろう。利己思想の反対は利他思想である。子供に利他行為をしてくれる可能性が一番高い人は実母である。しかし、芥川龍之介にとって、躊躇わずに、自分に何かをしてくれる実母は何もやってくれなかった、寂しい思いと怖さだけを残した。 1.1.2養母と育ての母からの影響 　生母新原フクが発狂してから、芥川龍之介は生母の実家である芥川家にあずけられた。成人するまでは伯母芥川フキ（生母の姉）が面倒を見ていた。十二歳の時、つまり、生母がなくなった翌年、裁判を経て、芥川龍之介は正式に芥川道章（生母の実兄）·儔を養父母として育てられた。 　養母儔はただ一時期の法律上の母であると思っている。儔は幕末の大通細木香以の姪であって、文学好きだったそうである。そのため、養母から受けたのは母親としての愛と言うよりは、文学的な方面の影響がいっそう強い。 　伯母フキは育ての母であり、芥川龍之介がもっとも愛した人だと考えられる。伯母フキが絵や物語などを好んだことも芥川龍之介にいい影響を及ぼした。「伯母がゐなかつたら、今日のやうな私が出来たかどうかわかりません」と芥川龍之介は『文学好きの家庭から』に書いている。これによると、彼が育ての母フキに対する感激と愛は確かだと言える。 　しかし、吉田精一は「自殺を決意した後に芥川は佐藤春夫に、「僕の生涯を不幸にしたものはXXなのだよ。もっともこの人は僕の無二の恩人なんだがね」と語ったという。ここのXXは伯母をさすものの相違ない」と指摘した。もし、これが正しいのなら、芥川龍之介と伯母フキは愛し合いながら互いを傷つけたと考えられる。 　ある論者は「芥川龍之介は伯母の愛がエゴイスチックなものだと分かり、その悟りによって、彼は肉体と心の苦痛を感じ、次第に伯母に対する愛が冷めてしまった」と言っている。そうすると、育ての母フキは芥川龍之介にたくさんいい影響を与えただけではなく、彼の利己主義への認識にも関わりがあると考えられる。 1.1.3義母からの影響 　義母フユ、すなわち実父の後妻の存在は芥川龍之介に無視できない影響を与えた。義母フユは芥川道章の妹で、芥川龍之介の実母フクの妹に当たる。フクが発狂のため、フユは新原家に手伝う間、芥川龍之介の実父とかかわりができ、明治三十二年、一人の子供を産んだ。このことはフクにとってはショックな出来事であり、未成年の芥川龍之介にもマイナスな影響を与えたのではないであろうか。おそらく、そのときから芥川龍之介が人間のエゴイズムなどの人間性への認識はすでに芽生え始めているかもしれない。 1.2二人の父から受けた影響 　芥川龍之介は実父新原敏三と養父芥川道章という二人の父がいる。しかし、芥川龍之介はその二人に父親としての愛情を感じたことはおそらく少ないと言えるであろう。母親からもらった愛が足らないだけではなく、父親からの愛も不十分である。これも芥川龍之介の利己思想の形成と関わっていると考えられる。 1.2.1実父からの影響 　芥川龍之介は実父とはあまり親しくないと感じられる。それは上で述べたように、妻のある新原敏三が妻の妹と子供