第1学年技术家庭科学习指导案-edu.fuku.PDFVIP

第１学年 技術・家庭科（家庭分野）学習指導案 １ 題 材 「自分らしく着よう」 ２ 指導観 ○ 現代の衣生活を振り返ると，色やデザイン，サイズも豊富となり，さまざまな衣服を安価に入手することができるように なった。また，私たちは，衣服を購入する際に，自分の個性を自覚せず，勧められるままに，あるいは衝動的に購入するこ ともある。そのため一度も着用しない衣服が，タンスの中に存在することがある。このことから私たちは，多くのものや人・ 情報に振り回され受け身の姿勢で衣服を選ぶのではなく，自分に必要な情報を選びとるための，知識を身に付けることが必 要であるといえる。そしてその知識を生かして，自分の衣生活をよりよくするための力を付けていくことは，これからの自 分の衣生活を，自分で考え，決定し，すすめていく上で価値がある。また T.P.O．に応じた衣服の着方を考えることは，衣 服のはたらきを理解し，これからの自分の衣生活を無駄なく，また社会人として，より豊かな人間関係をつくって過ごして いくことにつながり大切なことである。本題材では，衣服を選ぶ時に，どのようなことに気がついたらいいかを，色を切り 口に学習し，自分の個性を生かして，目的に応じた衣服の着用ができるようになることをねらいとしている。学習内容とし ては，衣服のはたらき，衣服と色の関係，自分らしい着方，目的に応じた着用などがある。 ○ 本学級の生徒たちは，事前アンケートから，衣生活についての小学校での既習事項としては，5 ・6 年生を通して雑巾やエ プロンやナップサック作り，アイロンや洗濯の仕方など，生活に結びつく体験的な学習を経験してきている。衣服の着方に ついては，季節にあった衣服の着方を学習してきているはずだが，その記述はあまり見られなかった。 さらにアンケートから，日常生活の中で衣服を購入するとき，自分で意思決定して選ぶ生徒は全体の 75％であった。雑 誌やテレビなどの衣服の情報も多いため，流行に敏感になっており，色，柄，デザインを中心に選ぶことが多い。けれども 自分のファッションセンスには 80％の生徒が，自信をもっていないと答えている。また衣服を購入した際に失敗した経験 のある生徒は40％であった。そのうち，サイズが合わなくて着られなかったと解答した生徒 50％，似合わなかったと解答 した生徒が 20％と，衝動買いによる失敗を経験している。自分に似合う色については知らない，わからないと答えた生徒 は，全体の 60％であった。以上のことから，中学生になり衣服を自分で選ぼうとする傾向は非常に高いが，自分に似合う 衣服を選ぶための手だてがわからないため，既製服を購入する際に失敗したり，手持ちの衣服をうまく活用できなかったり する傾向にある。 また生徒達は，1 学期に，美術の時間に色彩の基礎学習を通して，色の成り立ちについて学習している。主な内容は，色 相・彩度・明度などについて学習し，それをもとに，季節感を取りいれた衣服の着色を行っている。 ○ 指導にあたっては，できるだけ学習を身近に感じ，実生活に応用できるようにするために，実際の場面を想定したシミュ レーション活動を取り入れながら，題材を構成した。特に色については，美術の時間で学習したことを関連させながら，色 彩の基礎的学習を生かすようにした。 はじめにダイヤモンドランキングを用いて，自分が衣服を選ぶときに，何を基準に服を選んでいるか，自分の考えを振り かえらせる。そして他の人の意見を聞くことにより，衣服を適切に選ぶためには，検討すべきポイントがたくさんあること に気づかせる。 次に衣服のはたらきについて学習させる。ここでは，小学校での学習を振り返りながら，保健衛生上のはたらきに加え， さまざまな衣服の例を見せながら「なぜこの衣服を着るのか」と発問し，意見のやりとりを通して，社会生活上のはたらき があることに気づかせる。その際，後に学習する衣服の着方に関連があることを知らせる。 さらに，美術科の学習における色彩に関する既習事項を生かして，色に着目して学習をすすめる。ここでは，まず色のも つ印象を実感させるために，異なる色の衣服の模型を提示し，色から受ける印象を発表させる場を与える。次に，似合う色 を選ぶときには，その人がもつイメージや皮膚や髪の毛の色などが影響を与えていることをわからせために，美術科の時間 に着色した衣服の模型を活用して，モデルに似合う衣服の色の組み合わせを考える活動を仕組む。そして，自