第1学年技术家庭科（家庭分野）学习指导案题材.PDFVIP

第１学年 技術・家庭科（家庭分野）学習指導案 １ 題材名 より快適な衣生活をめざそう ２ 指導観 ○ 人間は衣服を着用することによって，多様で厳しい環境下でもその命をつなぎ文明を発展させてきた。戦 後，食べるものも着るものも不足していた時代から，消費が美徳とされる大量消費時代を経て，豊かな消費 生活が営まれるようになり，他の生活活動とともに衣生活も環境とのかかわりを考えていかなければならな い時代となっている。また，個性や個人の考えを表現し他者とかかわる手段としての役割や，人間が創意工 夫して営んできた生活の知恵を伝える役割や，発展させる手段としての役割も果たしてきている。現在では， 家庭生活に多くのサービスが提供され便利なものがすぐ手に入り，中学生が主体的に衣生活を営む場面は少 ない。 本題材では，衣生活に関する実践的・体験的な学習活動を通して，衣服についての関心と理解を深め，衣 服の選択，着用，手入れについての基礎的・基本的な知識及び技術を身につけ，これからの生活を展望して 課題をもって衣生活をよりよくしようとする能力と態度を育成することをねらいとしている。学習内容とし ては，衣服と社会生活のかかわり，目的や個性を生かした着用，衣服の適切な選択と手入れなどがある。小 学校の既習事項を生かしながら，日本の伝統的な和服を通して社会生活上の衣服のはたらきに注目し，実物 に触れたり，生徒同士の価値観を交流する話し合い活動を仕組んだりすることで，衣服への関心を高め実践 力を身に付けるようにする。 このような学習を通して，衣生活への関心を高め，自分自身の衣服の着用や選択，手入れの方法などを見 直し，課題をもってよりよい衣生活を営もうとする態度と能力を育成することは，大変有意義と考える。 ○ 生徒はこれまでに小学校家庭科において，「衣服の着用と手入れ」や手縫いやミシンを用いた 「生活に役 立つ小物作り」を学習している。 本学級の生徒は，学習前のアンケート （小学校での学習状況を把握するために行った）によると，製作・ 実習を通して学習した小学校での基本的技能は，身に付いていると答えている。布を用いた製作は，６割程 度が好きだと答えている。しかし，日々家庭生活で行われている着用の工夫や洗濯，収納などについては， 既習事項を積極的に活用している生徒は４割程度である。１学期の家庭生活を支える仕事の授業から，既製 服の購入や衣服の手入れについては，保護者任せにしている生徒がほとんどであるという生活実態がわかっ た。また，日本人の民族衣装である和服については，着用経験は半数以下で，儀式的なものという印象が強 く，興味をもっている生徒は４割程度である。「着心地が悪い」「着るのが大変」などのマイナスイメージが 強く，今後着用したいという生徒は半数に満たない。 ○ 指導にあたっては，既習事項を活用しながら自分の衣生活から課題を見いだし解決する方法を探ることで， より快適な衣生活を営める力を養う。 そのためにまず，衣服のはたらきについて保健衛生上や生活活動上のものだけでなく，社会生活上のはた らきに着目させる。ここでは，社会科の地理の学習と連携して日本の民族衣装である和服を取りあげる。和 服と洋服の比較から和服がもつ社会生活上のはたらきに気付かせ，関心をもたせる。その際，NPO 和装教 育国民推進会議と連携し，ゆかたの着付けを行う。次に，衣服の計画的な活用として，既製服の選び方を取 りあげる。ここでは，購入経験が少ない中で関心を高めるために，自分が所持する衣服の活用状況を振り返 らせ，失敗のない選び方を考えさせるとともに，既製服の表示の種類や見方を知らせる。さらに，衣服を長 く有効に使うために，適切な手入れや，補修の必要性，洗濯や保管の方法を知らせる。ここでは，身近な衣 服の表示調べやしみ抜き実験を取り入れ，衣服を構成している繊維の種類や性質，汚れの種類に応じて手入 れする必要性を体験させる。最後に，衣生活と環境が密接な関係であることに気付かせるために，自分が所 持する衣服の活用状況の点検などを取り入れる。また，小学校での衣服の着用の学習を想起させたり，ゆか たを最後まで使い切った祖先の知恵などにもふれたりして，衣服と省エ