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Title腎不全の尿素排泄に関する基礎および臨床的研究 Author(s)安藤,　明利 Journal東京女子医科大学雑誌, 52(8):2076-2077, 1982 URL /10470/4885 http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 工32 （63） 氏名（生年月日） 安藤明利（昭和21 アキ トシ 本 籍 学位の種類 医学博士 学位授与の番号 乙第505号 学位授与の日付 昭和57年2月19日 学位授与の要件 学位規則第5条第2項該当（博士の学位論文提出者） 学位論文題目 腎不全の尿素排泄に関する基礎および臨床的研究 論文審査委員 （主査）教授鎮目 和夫 （副査）教授 梅津 隆子，教授 遠藤 光夫 論 文 内 容 の 要 旨 研究自学 成績および考察 蛋白質の主要な代謝産物である尿素は，腎不全の際に 1） 臨床試験 はμ「emic． toxin⑫1つに目され・腎不全齢・対して ccreat・30ml／min以下の腎不全群では，尿素cleara－ は，利尿による尿素排泄の増大が臨床的に企てられてい nce（Curea）は尿量増加に応じて直線的上昇を示し，一 る．しかし腎機能，市内障害部位の相異が尿素排泄に及 方非腎不全群では機能低下が軽度な例ほど，尿量2ml／ ぼす影響については充分解明されていない．本研究は， m三nまでの急激な上昇と，その後の緩徐な放物線状の 各段階の腎機能低下を示す患者の尿素排泄の特徴，およ 上昇を示した．さらに尿量増加時の尿素排泄量の増加率 び皮質，髄質障害を実験動物に作成し，高尿素血症下の も，腎不全群では非腎不全群に比して有意に高く，多尿 尿量と尿素排泄の関係，さらに腎組織の尿素濃度勾配に による尿素排泄増大が，より期待できるとの結果を得 つき検討を加えたものである． た．また腎でのaetの水再吸収の指標であるTH20／GFR 研究方法 は，腎不全群では70から100％近くまで広く分布し，尿 1）臨床試験 素のfractional excretion（FEurea）との間に直線的な負 12時間飲水制限下と，5％糖液500ml投与後，さら の相関が認められ，尿素排泄が尿濃縮程度に大きく依存 にfurosemide投与による尿量増加時の尿素排泄pattern していることが示された． を，腎不全および非腎不全の各段階の腎機能低下を示す 2）動物実験 症例につき比較検討した． pNx， Papxの両群でinulin clearanceは皿期の対照 2）動物実験 腎の間に有意差を認めたのみで，左側障害腎では各期を Wister系雄牲ratを用い，左腎に皮質切除（pNx）も 通じほぼ同等であった．血漿尿素濃度は皿期で上昇，班 しくは乳頭切除（Papx）を施し，右前は対照腎とした． 期でも同levelに保たれ，両群間にも有意差は無かっ この両面でcontrol期（1期）に続き，尿素を負荷し高 た．尿量は1期から皿期へと増加し，右側対照腎との比 尿素血症とした丑期，さらに生理食塩液で容量負荷を行 で表すと，Papx群はpNx群より各期とも有意に多く， なった皿期につ