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無人化ニューマチックケーソン工法による雨水貯留施設構築に関する研究 財団法人 下水道新技術推進機構 研究第二部 研究員 中田 稔 研究第二部長 松島 修 研究第二部 副部長 高瀬 行廣 要 旨 都市部においては，雨水貯留施設のための十分な用地を確保することは困難であり，狭隘なヤードで， 十分な雨水貯留機能を保持した施設をシステムとして合理的に構築・運営する手法が求められている。そ こで，掘削作業の無人化を実現したニューマチックケーソンによる地下貯留施設の設計・施工手法等に関 する技術的事項について検討を行った。 キーワード：無人化ニューマチックケーソン工法，雨水貯留施設，大深度，施工ヤード，建設コスト １．はじめに ⑦ 施工計画・施工方法の検討 近年，都市化の進展に伴う雨水流出量の増大や ⑧ 建設コスト縮減に関する検討 計画水準を大きく上回る異常豪雨（台風，局所的 （４） メンテナンスに関する検討 豪雨）の発生による浸水被害が多発しており，こ ⑨ し渣・沈砂撤去方法の検討 れらの課題に対する一方策として「雨水貯留施設」 ⑩ 排水設備の検討 が注目されてきている。 ⑪ 換気・照明設備の検討 一方，都市部の現状は，密集化や地中埋設物の 上記検討項目のうち主な検討項目について記述 輻輳など雨水貯留施設のための充分な用地を確保 する。 することは困難であり，狭隘な敷地で十分な雨水 ３．施設設計に関する検討 貯留機能を保持した施設をシステムとして合理的 3.1貯留施設規模・仕様の検討 に構築・運営する手法が求められている。 （１）施設容量 本研究は，縦型形状で過密化した都市部に適用 既存雨水調整池の貯留容量規模は，図-１の雨水 3 可能なニューマチックケーソン工法について，大 調整池の規模比率に示すように，10,000m ～ 深度を対象とした合理的な地下貯留施設の設計 3 30,000m の貯留施設が85％を占める。よって，無 法・施工法の確立と効率的な維持管理システムの 人化ニューマチックケーソン工法による雨水地下 構築を総合的に研究して，ニューマチックケーソ 3 3 貯留施設の検討は，10,000m ～30,000mを対象と ン工法による合理的な縦形貯留施設の構築システ した。 ムを確立することを目的とする。 6.2% その他 ２．研究概要 本研究は，以下に示す11項目について検討した。 11.2%